お茶の栽培

チャは栄養生長部である葉を収穫するため、栄養に富み湿度の高い所で栽培すると良いものが作れる。これはミカンのような生殖生長部を収穫するものとは逆の環境である。

土壌が酸性であることを好み、最適pHは5である。茶の品質は一般に窒素を多くするほど向上する≪ある程度以上では効果は薄い≫。そのため多施肥化が進み、日本などでは硝酸態窒素による地下水汚染が問題になっている。

チャは古くから種子を蒔いて増やしていたが、1955年≪昭和30年≫頃に挿し木技術が確立された。種子から育てたチャは、親木の性質をそのまま受け継ぐことがほとんどなく、葉の色、形、芽の伸び始める時期などが様々で不均一である。一方、挿し木で増やしたチャは性質が同じで、よく揃って芽が伸びるので都合が良い。また、挿し木技術の確立と前後して、茶業研究機関によってチャに自家不和合性があることが明らかにされた。その結果、茶園への栽培品種の導入が促進されることになった。今日ある茶園の多くでは、挿し木によって増殖された同一品種が栽培されるようになっている。

お茶イベント

日本

日本では静岡県≪静岡市安倍奥の本山茶、川根町の川根茶など県下全域≫で最も多く栽培されている。

2004年≪平成16年≫の生葉収穫量≪トン≫

  1. 静岡県  197,300
  2. 鹿児島県 123,500
  3. 三重県   33,300
  4. 宮崎県   18,600
  5. 京都府   13,800
  6. 奈良県   12,200
  7. 福岡県   10,900
  8. 佐賀県   9,770
  9. 熊本県   9,200
  10. 長崎県   5,370

2004年≪平成16年≫の荒茶の生産量≪トン≫

  1. 静岡県  44,200
  2. 鹿児島県 25,200
  3. 三重県   7,640
  4. 宮崎県   3,780
  5. 京都府   2,950
  6. 奈良県   2,920
  7. 福岡県   2,260
  8. 佐賀県   2,170
  9. 熊本県   1,860
  10. 長崎県   1,060

※出典:農林水産統計・2004年≪平成16年≫産茶生産量

最大の産地である静岡県に次ぐ第2位の鹿児島県は、一般にはあまり知られていない。宇治茶や狭山茶のような産地銘柄を表示する際には、当該府県産原料が50%以上含まれていればよいため、これらの茶のブレンド用、あるいは緑茶飲料用に消費されているものと思われる。

現在、日本全国で栽培されている茶樹の9割をやぶきた一品種が占めている。 最近では、おくみどり、さえみどり、つゆひかりなどの新しい品種の栽培に積極的な茶農家も増えてきている。

霜害を防ぐため、畑には県などの補助金により防霜ファン≪電柱の天辺に下へ向けた扇風機が取り付けてある≫が設置されている。

2008年≪平成20年≫度税制改正において、法人税等の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」が改正され、別表第四「生物の耐用年数表」によれば2008年≪平成20年≫4月1日以後開始する事業年度にかかる茶樹の法定耐用年数は34年となった。

世界の茶葉生産

茶葉は、主に中国・インドとその周辺のアジア地域で生産されているが、アフリカ・中南米・ヨーロッパでも生産されている。 2003年度は全世界で321万トン、2006年度は364万トン、2008年度は483万トン生産されている。

Country 2006 2007 2008
 中国 1,047,345 1,183,002 1,257,384
 インド 928,000 949,220 805,180
 ケニア 310,580 369,600 345,800
 スリランカ 310,800 305,220 318,470
 トルコ 201,866 206,160 詳細不明
 ベトナム 151,000 164,000 174,900
 インドネシア 146,858 150,224 150,851
 日本 91,800 94,100 94,100
 アルゼンチン 72,129 76,000 76,000
 イラン 59,180 60,000 60,000
 バングラデシュ 58,000 58,500 59,000
 マラウイ 45,009 46,000 46,000
 ウガンダ 34,334 44,923 42,808
その他の国 189,551 193,782 205,211
全生産量 3,646,452 3,887,308 詳細不明
体にいいお茶探し

茶園の収量

茶園の収量は茶葉の取れる芽数、茶の芽の質の高さを図る芽重、全体的な収穫面積を表す摘採面積で決まる。しかし芽数を上げれば芽重が減り、芽重を上げれば芽数が減るなど相対的な関係があるため、収量を考える時は品種にあわせてどの部分を重視するかが重要になる。

その他にも摘採法によっても収量に違いがあらわれる。摘採法は主に手摘みとはさみ摘み、機械摘みに分かれ機械摘みは大幅に摘採時間を短縮する事が出来る反面、一定のラインから1番茶、2番茶の分け隔てなく摘んでしまうため手摘みやはさみ摘みのほうが質の高い収穫を行うことができる。

はさみ摘みは、機械摘みと同じく平面的に収穫を行うため摘採の品質的はさほど変わらない部分もあるが、機械より地形や茶の木の変化に対応が可能である。手摘みは古くからの摘採法として様々な摘採法が生み出されている。例として、折り摘み、かき摘み、切り摘み、こき摘み、両手摘みなどの手法が挙げられる。はさみ摘み、機械摘みと違い、必要以上に茶葉を摘まないため、2番茶、3番茶での成長後に摘採を期待でき、その収量にも期待できる。しかし、摘採効率がはさみ摘みと10倍近い開きがあるため、近年は手摘みで間に合わないとき、地形の関係から摘採が難しいとき、などに、はさみ摘みと併用されることが多い。摘採ばさみは明治40年頃に発明されたが、摘採時のこうした質の差から使用が躊躇され、本格的に使用が行われたのは大正に入ってからであった。

土壌

茶の肥料の主成分は、窒素である。これは過度の使用による水質汚染が問題となり、現在は肥料を減らしながら窒素吸収率をあげる活動が行われている。吸収率を向上させる土壌作りのために注目するものは主に液相≪水量≫、気相≪空気量≫、個相≪土量≫の3つである。

根の働きは土壌から多くの養分を吸収し茶の木に行き渡らせるものであるため、より深く細部に亘って根を張り巡らせることでより効果的な力を発揮させることができる。そのために、根の生育が行いやすいように土を耕して気相を高め、土にたい肥、刈り草、稲ワラなどを投入し、微生物の有機物分解を助け保肥力、保水力を高めるなどの対策を行い、根量を増やす工夫をしている。